クラス委員ブログ

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2017.08.06

もっと!アート散歩クラス

【第5回】美術館で買う楽しみ(かまわぬの仕事)

 

第5回の授業では、多種多様なミュージアムとコラボし、デザイン性の高い日本手ぬぐいの製造・販売を行なっている「株式会社かまわぬ」専務取締役の高橋基朗さんから、お話を伺いました。

なお、「かまわぬ」さんのご好意で、出席者全員に、「かまわぬ」さんの手ぬぐいを無料でプレゼントしていただけました。高橋さん、ありがとうございます。

最初に、クイズ‼︎ 

江戸時代に手ぬぐいが普及した要因として当てはまるものについて、①〜④のなかから選んでください。

①綿花栽培の普及

②歌舞伎文化の発展

③浮世絵の登場

④①〜③のすべて

ブログの中に答えのヒントが隠されています。

1.「かまわぬ」とは

株式会社かまわぬでは、注染の技法を用いた日本手ぬぐいを、江戸の古典柄からモダンな現代柄まで常時約200柄取り揃えて、製造・販売をしています。

社名「かまわぬ」の由来は、以下の判じ絵から来ています。判じ絵は 、江戸時代に流行した、絵文字のなぞなぞです。

 

鎌と丸っぽいものが描かれていて、最後に「ぬ」の文字があります。丸っぽいものを「輪(わ)」と理解すれば、すぐに「かまわぬ」と読めるでしょう。「かまわぬ」の図柄は、元々、元禄期の町奴が好んで身につけていたものとされています。「かまわぬ」には、火消しを務めていた町奴の「たとえ火の中、水の中に飛び込んでもかまわぬ」という粋なメッセージが隠されています。

その後、江戸時代後期に、歌舞伎役者・七代目市川團十郎が舞台衣装にその図柄を用いました。当時、歌舞伎役者の家紋や独自の文様を着物や手ぬぐいの図柄とすることが定着していたため、「かまわぬ」の図柄が入った着物・手ぬぐいが、庶民の間で流行しました。

「株式会社かまわぬ」は、「特別に何のお構いもできませんが、気軽にお立ち寄りください」という意味が込められています。

2.手ぬぐいについて 

「株式会社かまわぬ」が製造している注染手ぬぐいの特徴として、

①吸水性と速乾性に優れている

②染料を上から注ぎ生地に通すため裏表がない

③使うたびに風合いが増して生地が柔らかくなる

 の3点が挙げられます。

なお、染め物のため、色落ちが避けられませんが、2〜3度洗ううちに色が落ち着いてきます。色が変わってくることを楽しむのも乙です。

手ぬぐいが切りっぱなしのままになっている理由としては、

①端を縫っていないので、乾きが早く、汚れや埃がたまらず衛生的であること、

②縫い目がないので、結んだり切って使ったりする時に扱いやすくて便利であること、

が挙げられます。

注染手ぬぐいは、機織り、型紙製作、染色、天日干し、生地の整理などの工程を経て作られています。

手ぬぐいは、拭く、包む、飾る、挨拶といった従来の使用方法にとどまらず、宴会の小物やアクセサリー、日除けとしても使われています。

3.手ぬぐいの歴史 

元々、平安時代には神事の際の装身具として無地の手ぬぐいが使われ、鎌倉時代に、少しずつ庶民の間で普及し始めました。

江戸時代には綿の栽培が各地で行われるようになって、手拭いは生活必需品として定着し、機能性だけではなく芸術性が重視されるようになりました。

明治時代に入って「注染」という染めの技法が考案され、染め業界に大変革が起こりました。

昭和のころには、手拭いを趣味とした会が出来るなど日常品の枠を超えて全国に拡がっていきました。今ではさまざまな色柄のてぬぐいが生まれ、自由な発想で使われています。

4.他企業とのコラボ商品

株式会社かまわぬでは、他企業とのコラボにより、ミッフィー、ガンダム、どんぐり共和国、スヌーピーなどをデザインした商品のほか、ミュージアムとコラボした、オリジナルの手ぬぐいも作っています。

具体的には東京国立博物館、東京都公園協会、世田谷美術館、横須賀美術館、青森県立美術館、上野動物園、葛西臨海公園、多摩動物公園、大宮盆栽美術館、鉄道博物館、箱根彫刻の森美術館と数えきれないほど多くのミュージアムと提携しています。それぞれの美術館の特色を活かしたデザインになっていて、とてもおしゃれです。

株式会社かまわぬでは、伝統的なデザインに飽き足らず、時代の変化に対応するために、新しいデザインを開発しています。例えば水に濡らすと、デザインが浮かび上がってくるものもあるのだそうです。その商品はサプライズにぴったりで、粋を感じました。

 

授業の締めに、手ぬぐいを用いてびんやペットボトルを粋に包む方法を教わりました。普通のびんやペットボトルをオシャレにアレンジできるだけでなく、手ぬぐいがあれば、暑い時期にペットボトルに水滴がつかなくて便利です。

クイズの答え ④①〜③のすべて、です。①、②は説明した通りです。③浮世絵は、歌舞伎役者のブロマイド(「役者絵」)としても普及していたので、浮世絵を通して、庶民が歌舞伎役者の粋なデザインを知るきっかけになりました。

(ご参考)株式会社かまわぬ代官山店では、開店30周年を記念し、8月1日〜31日の間、様々なイベントを開催しています。

なかでも、8月10日(木)〜28日(月)に開催している代官山てぬぐいめぐりは、代官山周辺のアパレル系から郵便局やカフェまでのお店34店舗が参加し、オリジナルのてぬぐいの販売をしたり、店内のディスプレイとしててぬぐいを飾ったり、スタッフがてぬぐいを身につけたりするなど、代官山全体がてぬぐいに染まる大々的なイベントです。

◯「株式会社かまわぬ」http://www.kamawanu.co.jp

クラス委員 ムッシュ

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丸の内朝大学企画委員会によるものではありません。

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