丸の内朝大学ヴォイス

様々な人々があつまり、つくりあげる丸の内朝大学。
それぞれの視点で見る朝大学とは?

富山の魅力を伝えるソーシャルプロジェクトに密着

2013.07.30

富山の魅力を伝えるソーシャルプロジェクトに密着

都市と地域が一緒に取り組む! 受講生発のイベント

丸の内朝大学のクラスをきっかけにうまれた、まち、地域、社会を変える受講生の活動「ソーシャルプロジェクト」が活発です。今回は、2012年夏学期に開講した「地域プロデューサークラス富山編」から生まれたプロジェクト「T4U」による「問診カフェ」の様子をレポート。講座終了から1年を経ても続く、富山の人々との交流、丸の内での活動を追いました。


エネルギー不足には熊肉!カスタマイズされた朝食提供

早朝7時15分。丸の内仲通りにある朝大学の学食「カフェ サルバドル」を訪れると店内はイベントで満員!行われていたのは、ソーシャルプロジェクト「とやまをProduce」のグループのひとつ「T4U」による「問診カフェ」です。

T4Uは、東京に住む朝大学の受講生と、富山で地域活性化に取り組む人々がメンバー。地域プロデューサークラス富山編の最終プレゼンテーションをもとに、東京と富山で様々なイベントを行なっています。今回取材した問診カフェは、“富山の薬売り”をコンセプトに、富山ファンを増やすプロジェクトの一貫として行われているイベント。参加者の心や体の状態を事前アンケートで問診し、参加者の状態にあわせて富山ならではのオリジナル朝食メニューを提供します。

今回は、富山市、南砺市、立山町それぞれの地域の特産品を使ったピタサンド。富山市「鱒のSUSHIピタサンド」、南砺市「月の輪熊のチリコンカン」、立山町「夏野菜のマンゴー&バルサミコマリネ」の3種が用意されました。

[写真]富山のメンバーは白衣姿。問診員として、今回のコンセプトの説明や富山の説明を行った。

参加者は、カフェ入り口で申込み時に答えたアンケート結果をもとにした処方箋を受け取ります。そこに今日処方される朝食が記されているのです。記者は、南砺市のピタサンドが処方されました。効能は、冷え性解消、精力増強、キトキト力(富山との相性)増進とのこと。エネルギー不足っていうこと!?

「問診票(事前アンケート)は、富山に住むT4Uのメンバーで考えました」と話すのは、立山町で山岳ガイドを行なっている大塚憲一さん。「真面目なものから、ちょっと悪ノリした(笑)ものまで50以上考えて、最終的には20項目にしぼりました」
厳選された問いは様々。「血の気が多い方だ」と答えた人には、血液を浄化するトマトが入っている立山町の点数が高く、「会社の冷房が、キツい」と答えた人には、からだを温める熊肉を使った南砺市が高くなるといった具合で、問いへの答えが点数化され各地域に傾斜配点されます。南砺市とかけて、「なんと!が口ぐせだ」というユニークな問いもありました。


[写真](上)南砺市「月の輪熊のチリコンカン」(左下)鱒寿司がそのまま入った、富山市「鱒のSUSHIピタサンド」(右下)立山町のピタに入れられたトマトは、そのままでも振舞われた。

記者が処方された南砺市のメイン食材は熊肉。南砺市は、世界遺産・合掌造り集落で有名な五箇山地域があり、冬は豪雪地帯でかつては熊肉は貴重な食料だったことから今回の食材に選ばれたといいます。しかし、獣臭く敬遠されがちな食材をピタサンドにするには工夫が必要だったと、メニューを開発したカフェ サルバドル店長の和田剛さんは言います。
「予想していなかった食材で最初はびっくりしました(笑)。でも富山の人が持ってきたものをそのまま使ってまずやってみようと。こちらが下調べして妙な知識を持つのではなく、富山のありのままを教えてもらいました。富山市のピタサンドには有名な鱒寿司をそのまま入れていますが、これもT4Uのメンバーが作っていたメニューイラストをそのままかたちにしてみたら美味しかったから。炭水化物on炭水化物ですけどイケますよ!」

長く取り組むために、何より自分たちが楽しむ

食事の合間には、富山市、南砺市、立山町3地域の紹介も行われました。観光スポットや名産、ピタサンドに入っている食材の解説まで、T4Uメンバーがスライドを使って話します。このプレゼンも含め、場所選び、食材の調達、集客など問診カフェはすべて、富山と東京に住むT4Uのメンバーで運営しています。T4Uが生まれるきっかけになった地域プロデューサークラスが開講したのは2012年7月ですから、講座終了から約1年を経ても、富山と東京のつながりは続いていることになります。

[写真]参加者に渡される処方箋とガイドブック。イラスト、デザイン、印刷などすべてT4Uのメンバーで行った。

「遠距離恋愛ですよ(笑)」と話すのは、富山でまちづくりとデザインに取り組む明石あおいさん。朝大学では講師も務めました。「1年の間、熱が冷めずにプロジェクトを進められるとは開講中には想像していませんでしたね。1年でメンバー間のコミュニケーションもよくなって、おもしろいアイデアがどんどんでてくるようになりました」
「東京で富山のことを考えて動いてくれる人がいることは心強い。富山と東京が一緒に同じことに向かっていけるというのはうれしいですね。朝大学でできたつながりは貴重です」(富山市・大塚さん)

[写真]2012年夏学期開講時の地域プロデューサークラスでのT4Uの様子。写真は実際に富山を訪れたときに行なっていたディスカッション。当時はT4Uという名前もなく、どのようにして富山を盛り上げるか考えていた。

T4Uの東京メンバー、田之下雅之さんは、プロジェクトが続く理由を「何より楽しいから」と言います。
「自分たちが一番楽しんでいます。最初の頃より、ゆるくなったというか、ちょっとふざけてるというか(笑)。地域活性化してます!と肩肘を張ったものではなく、行政ができない、富山から離れたよそ者だからできることをやり続けていきたいですね」

問診カフェ開催にあたっては、Facebookやskypeを使って会議を行い、距離の壁を克服。離れていても情報を常に共有し、お互いの動きを確認していたといいます。その熱い思いはさまざまな人を巻き込み、刺激を与えています。
「問診カフェって、コミュニケーションデザインとしておもしろいですよね。僕たちはカフェというかたちで丸の内に“営み”を生んでいますが、今回のようなイベントを通して丸の内の朝を楽しくしたいという気持ちは一緒です」(カフェ サルバドル・和田さん)
「こんなに東京の人を呼ぶなんてすごいですね。僕たちも同じクラスを受講して、ソーシャルプロジェクトの『多手山プロジェクト』を行なっていますが、富山に東京に住む人を呼ぶのはT4Uにまかせて、僕たちは富山に住む地元の人を盛り上げる活動をがんばります。一緒に富山を盛り上げていきたいです」(多手山プロジェクト・丹羽達洋さん)

今回の問診カフェは、7月5日、12日、19日の3日間開催でのべ110名が来場。今後はこのコンセプトにそって、新しいカフェの形を考えています。
「イベントを1回やったら終わりではなく、富山と東京をつなぐために活動の幅を広げ、長く続けていきたいです」(T4U東京メンバー・山口淳さん)

8月には、富山旅行をプロデュースする「キクキク富山ツアー」も企画。富山とのつながりは今後も続いていきます。

●丸の内朝大学の地域との取り組みは「YEAR BOOK2012−2013」もご覧ください。


T4U
2012年夏学期に開講した「地域プロデューサークラス富山編」から生まれたソーシャルプロジェクト「とやまをProduce!」のひとつ。Toyama(富山)とTokyo(東京)をTanoshiku(楽しく)Tsunagu(つなぐ)をコンセプトに、東京における富山ファンを増やすべく結成されたプロジェクトチーム。頭文字の4つのTと、You(あなた)とUs(わたしたち)を表すUをかけあわせてT4U。富山、東京で各5人が中心となり、富山の良さを再発見できるようなイベントやツアーを提供している。https://www.facebook.com/t.four.u

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