21世紀の本流は、エコロジーではなく 『コスモロジー』
エコロジーという思想は、1969年のアポロ11号月面着陸を機にセットされた思考OSといえ、「惑星・地球=青い地球」としての自覚が刻まれることで、翌年の1970年には、バックミンスター・フラー博士が『宇宙船地球号』というコンセプトを打ち出され、ローマ・クラブもスイスに設立されました。さらに、ジェームズ・ラブロック博士が1972年にまとめた「ガイア仮説」によって一段とエコロジー的な世界観は社会に受け入れられる思想として結実していきましたが、現実の政治課題として各国政府がその課題に取り組み始めたのは21世紀になってからといえるでしょう。とはいえ、今回のセミナーで問いかけてみたいことは、22世紀を見据えて今後の中長期的なグローバル・アクションを考えるとき、1970年の思考フレームをそのまま当てて模索することで本当にいいのだろうかという疑問です。当時のフラー博士やラブロック博士と同じような鋭い感性をもった21世紀に生きる人々ならば、22世紀を見据えてさらに進化したビジョンや世界観を提示すのではないのでしょうか。その切り口を、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。