有馬朗人 (科学技術館館長、武蔵学園長、元文部大臣)
「早寝早起き朝ごはん」全国協議会会長
子どもたちが健やかに成長するには、早寝早起きやバランスの取れた食事などの生活習慣が大切です。近年、子どもたちの生活習慣の乱れが学習意欲や体力、気力の低下の要因のひとつとして指摘されております。文部科学省の調査によると、毎日朝食をとる子どもほど、ペーパーテストの得点が高い傾向にあることが明らかになっています。
子どもは社会の宝です。日本の未来を担う子どもたちが明るく意欲を持ち、たくましく生きていくためには、何よりも、小さい頃から基本的な生活習慣を身につけたうえでの心身の発達が大切です。そしてその環境を作ることが私たち大人の役目です。家庭における食事や睡眠など、基本的生活習慣の乱れに基因した子どもたちをめぐる問題は、個々の家庭の問題として見過ごすのではなく、社会全体の問題として取り組むべき重要な課題です。このような状況の中、平成18年4月に多くの方々やさまざまな団体の賛同のもと「早寝早起き朝ごはん」全国協議会が設立されました。
子どもたちが規則正しい生活リズムを身につけられるようにするためには、私たち大人が見本を示すことが必要です。学校、家庭、地域社会が一体となって
「早寝早起き朝ごはん」運動を推進していきましょう。
「早寝早起き朝ごはん」 とは?
今日の子どもたちの生活実態を過去と比較すると、就寝時間は遅くなり、朝食をとらないなど食生活の乱れが指摘されている。 こうした基本的生活習慣の乱れは、学力や体力低下をもたらすとともに、非行の一因ともいわれている。
特に、食生活については、平成17年7月から食育基本法が施行され、食育の重要性が一段と高まっている。 このようなことから、子どもの望ましい基本的生活習慣を育成し、生活リズムを向上させ、読書や外遊び・スポーツなど様々な活動にいきいきと取り組んでもらうとともに、地域全体で家庭の教育力を支える社会的機運を醸成するため、国民運動(‘早寝早起き朝ごはん’運動)を全国展開する。